「異業種交流会に行ってみたけれど、何を話せばいいか分からず、名刺を渡して終わってしまった」——北九州・福岡で人脈づくりを始めた経営者から、本当によく聞く悩みです。結論から言えば、交流会の会話は『気の利いた話をする力』ではなく『相手に気持ちよく話してもらう質問の力』で決まります。話し上手である必要は、まったくありません。

本コラムでは、BNI北九州東リージョンを2015年から運営し、約10年で延べ2,000人以上の起業家を見てきた現場経験から、異業種交流会で沈黙せず自然に人脈を広げる会話ネタと質問術7選を、人見知りの方でもそのまま使える具体例つきで解説します。読み終えるころには、次の交流会で「最初の一言」に迷わなくなっているはずです。

なぜ「何を話せばいいか分からない」で人脈は止まるのか

多くの経営者が、交流会の前に「自社の魅力をどう伝えよう」「うまい自己紹介をしなきゃ」と身構えます。ところが、この『自分が何を話すか』という発想こそ、会話が続かなくなる最大の原因です。人は、自分の話を聞いてくれた相手のことを、よく覚えているからです。

ある調査では、初対面で好印象を持たれた人の約7割が「聞き上手」だったという結果もあります。つまり、交流会で人脈を広げる主役は『話す力』ではなく『質問する力』です。あなたが3分間しゃべり続けるより、相手に3分気持ちよく話してもらったほうが、印象は何倍も強く残ります。

そしてもう一つ重要なのが、相手のことを知らなければ、あなたはその人を誰にも紹介できないという点です。質問は単なる会話のきっかけではなく、後で紹介を生むための情報収集でもあります。この発想はリファーラルマーケティングの基本——信頼を通じて紹介が循環する仕組み——とそのまま重なります。北九州・小倉の交流会で成果を出す経営者ほど、口数は少なく、質問が多いのです。

会話は「話す」より「聞く」——質問7選で沈黙を消す

ここからは、そのまま使える質問7選を紹介します。名刺交換の直後、相手にこの順で聞いていくだけで、会話は自然に流れていきます。暗記する必要はありません。3つ覚えておけば、当日は十分です。

①「どんなお仕事をされているんですか?」——最も基本の入口。②「その中でも、特にどんなお客様が多いんですか?」——一段掘り下げると、相手は具体的に話し始めます。③「この仕事を始めたきっかけは何だったんですか?」——ここで相手の熱量が出て、一気に距離が縮まります。④「最近、お仕事で手応えを感じたことはありますか?」——ポジティブな話題は場を明るくします。

⑤「どんなお客様を紹介してもらえると嬉しいですか?」——これが最重要の質問です。答えを覚えておけば、後日あなたのほうから紹介を届けられます。⑥「この交流会にはよく来られるんですか?」——地元ネタや共通の知人に話が広がります。⑦「北九州(福岡)で、おすすめのお店や場所ってありますか?」——仕事を離れた雑談で、人柄が見えてきます。

ポイントは、質問して終わりにせず、相手の答えに「それは面白いですね、もう少し詳しく」と一言かぶせること。この相づちだけで、会話は途切れなくなります。⑤で聞いた『紹介してほしい相手』は、名刺の裏にメモしておきましょう。この一手間が、後日の交流会後のフォローアップで効いてきます。

自分の番で使う『紹介される一言』の作り方

相手の話をしっかり聞いたら、当然「ところで、○○さんは何をされているんですか?」と返ってきます。ここが自分の番です。多くの経営者がやりがちなのが、「幅広く対応しています」「なんでもやります」という説明。一見よさそうですが、これでは相手は誰にもあなたを紹介できません。範囲が広すぎて、記憶に残らないのです。

大切なのは、『どんな人を、どんな場面で紹介してほしいか』を一言で言えるようにしておくことです。「相続で困っている福岡の地主さんがいたら、ぜひ紹介してください」——このくらい具体的だと、相手の頭の中であなたは『検索しやすいタグ』になります。抽象的な肩書きより、具体的な一場面のほうが、はるかに記憶に残るのです。

この『紹介される言葉』は、事前に用意しておくものです。当日その場で考えても、まず出てきません。作り方の具体的なステップは異業種交流会の自己紹介のコツで詳しく解説しています。そして、相手の役に立つ質問を先に投げ、自分は紹介しやすい形で名乗る——この順番こそ、BNIが最も大切にするGivers Gain(与える者は与えられる)の考え方を、会話の中で実践する形なのです。

人見知りの経営者ほど成果が出る3つの理由

「自分は人見知りだから、交流会は向いていない」と感じている経営者は少なくありません。しかし私の現場感覚では、人見知りの経営者こそ、長い目で見ると紹介につながりやすいのです。理由は3つあります。

1つ目は、聞き役に回れること。自分から話すのが苦手な人は、自然と質問中心の会話になります。前述のとおり、これは交流会で最も強い武器です。2つ目は、一人ひとりと深く話す傾向があること。大勢に配り歩くより、数人とじっくり話すほうが、信頼は積み上がります。1回の会で交換する名刺は5〜8枚で十分です。

3つ目は、無理な売り込みをしないこと。ガツガツ営業する人より、静かに相手を気遣う人のほうが、結果的に「信頼できる」と評価されます。大切なのは、その場で仕事を取ることではなく、継続して顔を合わせ、少しずつ信頼を積むことです。だからこそ、単発の交流会より毎週会える場のほうが、人見知りの方には向いています。まずは異業種交流会の事前準備チェックリストで、当日の不安を減らしておくことをおすすめします。

やってはいけない会話とまとめ

最後に、交流会で印象を落とす3つのNG会話を挙げておきます。1つ目は『いきなり売り込み型』——名刺を渡した瞬間から自社サービスの説明を始めるパターン。相手は身構えてしまいます。2つ目は『自分の話ばかり型』——質問をせず、一方的に話し続けるケース。3つ目は『その場で終わり型』——盛り上がっても連絡先の交換やフォローをせず、関係を放置してしまうパターンです。

裏を返せば、相手を知る質問から始め、紹介しやすい一言で自分を伝え、後日フォローする——この3つを守るだけで、会話が苦手でも人脈は着実に広がります。異業種交流会での会話は『うまく話すゲーム』ではなく『相手を知り、信頼を積み始めるゲーム』なのです。北九州・福岡には多様な業種の経営者が集まるビジネスイベントが数多くありますが、成果を出す人は例外なく、この基本を押さえています。参加頻度に迷う方は異業種交流会は月に何回参加すべきかもあわせてご覧ください。

「北九州・小倉で、会話が自然に紹介へつながる場を一度見てみたい」「人見知りでも続けられる、毎週信頼を積む仕組みを知りたい」という経営者の方は、ぜひ一度お問い合わせください。BNI北九州東リージョンのチャプターは、ビジターとしての見学・参加を歓迎しています。話し上手でなくても人脈が広がる現場を、まずはご自身の目で確かめてみてください。